優生学とは、
簡単に言えば、
「素晴らしい人間を創造し、社会に残そう」
という運動。
20世紀初頭に強く支持された。
現在は、廃れてしまったもの。
この優生学を元に、人種差別やジェノサイドが起こり、
障害者への差別などもあったのが、20世紀初頭の社会であったとも言える。
ナチスの人権政策は、この優生学に基づいており、
ゲルマン民族(学説的にはゲルマン民族というものは存在しない。大まかに言えばドイツ人は北方人種の血を受け継いでおり、その血を引き継ぐものをゲルマン人と称した)は民族として大変優れているので、
ゲルマン人の血を増やそう、
その他の民族はヨーロッパから追い出してしまえ、という政策だった。
何か他に置き換えるとしたら、
黒人への人種差別なども取り上げられるだろうが、
ナチスの人権政策はこれとは少し意味合いが変わって来る。
当時のヨーロッパは、金融などの経済の主な流れをユダヤ人に握られており、
ユダヤ人への妬みや恨みで、日常的に迫害が行われていた。
ユダヤ人お断りの看板が店に並んでいるような時代。
なぜ、元々住んでいた原住民であるゲルマン人を差し置いて、
ユダヤが裕福になっていくのかという憤りの気持ちで、
ドイツをはじめとするヨーロッパ全体が団結していた時代だった。
ユダヤ人はずる賢い、
だからヨーロッパには邪魔である、
という感覚。
悲しい事だし、
今では信じられない事だが、
ナチスの、
ユダヤ人・ジプシー・身体障害者を排除せよ、
という政策に、
賛同した人が多い時代背景があったという事だ。
でなければ、
ナチスが政権を握るような事はありえなかったし、
ヒトラーが神のようにあがめられる事もなかった。